フランス コート・デュ・ローヌ
ブドウ品種:ガメイ
全8区画のガメイのパーセルのうちの1つの区画ラストゥロンヌをキュヴェ名に冠しました。花崗岩で育つガメイをスミマセラシオンカルボニック後プレス、ステンレスタンクと古樽で発酵・熟成しまし た。淡い紫ガーネット色、カシスやプルーン、レッドプラム、湿った土の香り、口あたりよくスムーズな味わいで高めの酸と中程度のタンニンが溶け込み、赤果実の香りがアフターに拡がります。
Domaine Romaneaux-Destezet / ドメーヌ・ロマノー・デストゥゼ
2010年6月、夏の輝く太陽を背中にタベル近郊から北へひたすら200km、北ローヌ のサンジョセフを目指しました。ローヌ川に対して垂直に向いた急斜面に段々畑が 続くタンエルミタージュの対岸に広がるサンジョセフ地区に自宅を構える現当主エル ヴェ・スオー。そのローヌ川右岸から西へ30km、くねくねとした山道の上り下りを繰り 返すと秘境のような高地アルルボスク村にあるドメーヌに到着します。 パリ出身のエルヴェは元貴族だという妻の実家が経営するドメーヌ・ロマノーデストゥ ゼを受け継ぎ、1993年からワイン造りを始めました。16世紀に建てられたお城のよう な住まいに併設した醸造所は、歴史を感じる重厚感があります。 畑はドメーヌ近辺のドゥー川に続く南東向きの斜面のほか、サンジョセフ地区では 珍しいとされるエルミタージュと同じ地質をもつ区画「サンテピーヌ」など合計7ha所有 し、すべて南東向きという好立地。昔、火山が噴火した花崗岩が風化し砂地に なった標高450メートルの斜面の畑では、病気に強いヴィオニエ、早熟で病気に繊 細なルーサンヌ、高樹齢のガメイやシラーが育っていました。標高の高さからブドウに しっかりとした酸がのるのが特徴で、収穫も通常より2 ヶ月ほど遅い10月から開始されます。目力が強く一見強面のエルヴェですが、笑顔がやさしく気 品のある頼もしさが印象的。そんな真摯な彼との対面後、ワインへの期待が膨れに膨れた我々に、答えるかのごとく期待を遥かに超えるレベルのワイ ンが次々とサービスされ驚嘆の声が上がり続けました。それもそのはず、エルヴェはコルナスの自然派生産者ティエリー・アルマンの元で基本的なワイン 造りを学び、友人であるダール・エ・リボの元で研修を積んだ真の実力者で、北ローヌの中でも美しく抽出された果実味とピュアという一言だけでは片 付けられない繊細な崇高さに目が覚める思いでした。 年々ワインの質が向上し続け、現地での評価も上がっています。除梗なし、低温管理を行わず時間をかけた自然発酵、醸造段階SO2無添加 というこだわり、こうした丁寧な醸造方法があの高貴な味わいを生み出す、これぞまさしく深遠なるグランヴァンです。