ニュージーランド セントラルオタゴ
ブドウ品種:ピノ・ノワール
“L’insolite”=「奇妙な」と名付けられる限定生産のPNで、引き続きノースバーンの畑からとなった20年。全体の80%は全房のままカーボニック・マセレーション。その後人の足で破砕され自然醗酵およびバスケットプレス。タンクで落ち着かせた後古樽で17ヶ月熟成。瓶詰めまでに計12ppmの亜硫酸を添加。無濾過、清澄剤不使用。
奇妙な、と名付けられた限定生産のトップキュヴェ。2019年に引き続き、リースながら佐藤さんご夫婦が自らの手でビオディナミ栽培をしていたノースバーンの畑から、全房醗酵×バレルセレクションで生産されます。2020年は特にノースバーンからの生産量が少なくなってしまったこともあり、ランソリットも入荷できたのは極めて限定的な本数のみ。
“ヴィニュロン”を自称される(注:畑での作業を第一優先とする醸造家はWinemakerという肩書きを避けることがある)佐藤さん夫婦が、弛まぬ努力によってようやく得られた高品質なブドウからサトウ・ワインズのワインは産まれます。
ワイン伝統国の偉大な造り手たちから学び大きな影響を受けた彼らは「優しくて、繊細でしなやか、かつ滑らかな口当たりで飲み手を癒してくれるようなワインを造りたい」と、オーガニックもしくはビオディナミ農法で栽培されたブドウを、添加物を一切用いることなく(ボトリング前の少量の酸化防止剤を除く)丁寧に醸します。生み出されるワインはセントラル・オタゴの冷涼かつ寒暖差の大きい気候の恩恵をしっかり享受しつつ、体に染み込むようなコクと生命力に溢れたエネルギーを感じさせながら上品さがあり、心地よい余韻へと続いていく素晴らしいもの。その根底には、「可能な限り、畑からボトルの中へと引き継がれる調和した微生物環境を壊したくない。正しくテロワールとヴィンテージが反映されたワインを造りたいんです。“美味しいワインは文字通り生きている”と信じているからです」と語る佐藤さん夫婦の確固たる信念があります。
「何よりまずワイン造りを行っている土地に敬意を払うことが大切です。したがって私たちはブドウの栽培はオーガニックないしはビオディナミ農法でなされるべきだと信じていますし、ブドウは人の手による介入を最小限に抑えてワインへと生まれ変わらせるべきだとも信じています。生命力に満ちた健康的なブドウを収穫できるセントラル・オタゴというこの美しい土地のテロワールが反映された“混じりけのない生きたワイン”を造り出すこと、その挑戦に私たちは心を昂らせないわけにはいかないのです」…嘉晃氏が語るこ
の言葉こそにサトウ・ワインズの魅力が最も端的に現れており、我々はワインの中にそれを確かに見て取ることができるのです。