フランス ブルゴーニュ
ブドウ品種:ピノ・ノワール
樹齢60年。Volnayのコミューンのブドウを使用。レッドベリーやプラム、スミレのアロマに大地のヒント。円熟でふくよかな果実と細やかなタンニンが印象的。
イヴォン・クレルジェはヴォルネイで古くからワイン造りをする名ドメーヌで、その起源はなんと1268年まで遡ることができる。現在は28代目当主のティボーがワイナリーの指揮を執り、6haの畑を所有している。先代である父イヴォンは2009年を最後に引退、息子ティボーがワインに対して並々ならぬ情熱を持っていたことを知りながらも、2010年から2014年までブドウを全てアンリ・ボワイヨに売ることを決意。なぜなら、当時のティボーはまだ20代前半とドメーヌを引き継ぐには余りにも若く、外部での研鑽が必要だったからである。この間、ティボーはアンリ・ボワイヨとユドロ・ノエラで畑の管理と醸造プロセスを徹底的に学び、その後オレゴンのドメーヌ・ドルーアン、更にはマールボロのギーセン・エステートで研鑽を積んだ。そして2015年、満を持してドメーヌに戻り自らのワイン造りに着手した。もともと古くから続くドメーヌで、先代からの素晴らしい遺産(優良区画と高樹齢のブドウ)が残された非常に恵まれた環境ではあるが、ティボーはそれだけでは飽き足りずブドウのポテンシャルを最大限引き出すため数々の改革を行った。栽培面ではリュット・レゾネへ切り替え、よりピュアで活力あふれるブドウの育成を行い、醸造面ではコールド・マセラシオンの導入、以前よりも半年ほど樽熟成期間を短くし、新樽の使用率を控えめにした。
「近年稀にみる新生ドメーヌ誕生のサクセスストーリー」アントニオ・ガローニ
こうして生み出される彼のワインは、単にしなやかでエレガントなスタイルというだけでなく、ピュアで透明感のある果実味にあふれんばかりのエネルギーが詰まった、絶妙なバランス感が最大の魅力である。2015年のファーストヴィンテージをリリースして間もなく、「現在のコート・ドールにはエレガンスとテロワールの表現力・透明感を兼ね備えた造り手はいるものの、そこに本当の実体が伴うワインはない。ティボーのワインはまさにそれを成し遂げている。だからこそこのドメーヌを皆に紹介したい」byアラン・メドー、 「何としてでも味わうべきワイン。近年稀にみる新生ドメーヌ誕生のサクセスストーリー。若干28歳にしてティボーは偉大なキャリアを築き上げてしまった」byアントニオ・ガローニ、と一流の評論家からこれ以上ないほどの大絶賛を受け、一気に世界が注目する生産者となった。次世代のブルゴーニュを担う若きライジング・スターであり、若干28歳で世界を虜にするティボー。彼が率いる新生イヴォン・クレルジェは、近い将来争奪戦必至のドメーヌとなることは間違いない。