フランス コート・デュ・ローヌ
ブドウ品種:カリニャン50% グルナッシュ50%
太陽を浴びて丸々と太った黒い果実。クレームドカシス、ブラックペッパー、ブルーベリージャムなど溌溂とした濃厚な香り。味わいもしっかりと熟していて飲みごたえもしっかりとしているがべたついたところが無く案外サラリと飲める。この地域と造り手のワインに期待したものが期待通りに備わっている。
2019年に古木のカリニャンをマセラシオンカルボニックで醸造し、同時期に若木のグルナッシュをリショースタイルで醸造していた。リショースタイルとは、除梗し、3日間のコールドマセレーションを行うこと。
これら2つのキュヴェはとてもリッチだが、驚くほど発酵の進みが遅かった。2020年の春、発酵を終わらせることを期待し、この2つのワインをブレンド。2020年の収穫が始まり醗酵が始まると、本キュヴェの醗酵も再度活発になり、完全に発酵が終わった。
娘のクレールが中心となり、軽やかな飲み心地をというコンセプトで造られた。ファミーユ・リショー名義でリリースされている。
【ファミーユ・リショーについてについて】
1974年にドメーヌ創設。当時は周囲のほとんどの農家が協同組合やネゴシアンにブドウを販売していた時代に、ケランヌ地区のドメーヌの先駆となった一軒である。1990年代初頭には既に、南ローヌ最高峰の造り手の一人との評価を確立したが、さらなる品質向上を探求し、1995年前後から亜硫酸添加を抑えたワイン造りを意識。1997年、エノロゴのヤン・ロエルと出合い、以後長らくその助言を受け入れた。2001年には除草剤を完全に停止し、近年は亜硫酸添加も原則、瓶詰め時のみにとどめ、一部のキュヴェは亜硫酸無添加。畑には1940年代、50年代植樹の貴重な古木も多数現存し、深いエキスと柔らかなテクスチャー、完璧な調和と骨格のある複雑でノーブルな味わいを生む。またマルセルは今なお研究心と、向学心が旺盛で、2008年には娘と共にイタリアの自然派試飲会に出向き、テオパルド・カッペラーノとプレ・フィロキセラの樹からのワインを造りについて熱心な意見交換を行った。リショー家では、父親のマルセルから次世代(トマとクレール)へとゆるやかに世代交代が行われており、クレールがコンセプトの中心であるキュヴェは、【ファミーユ・リショー】、従来のワインは【ドメーヌ・リショー】の名のもとにリリースされる。