フランス ラングドック
ブドウ品種:ムールヴェードル、シラー
重々しく大柄な多くのラングドックとは一線を画すフィネスに満ちた味わい。30日間徹底して、ピジャージュを行うが、抽出物に荒々しさはなく、熟成ポテンシャルも高い。 ヴァリニエール用のシラーは全て北向きの畑で、収穫されるタイミングも一番遅い畑のブドウが使われる。
ドメーヌ・レオン・バラルについて
バラルの畑は特別である。ラングドックに大雨が降り、トラクターが踏み固めた周囲の畑が沼のようになった時でも、ここの畑だけは柔らかな土が水を吸い、しっとりと、艶やかな地表が見える。「土壌の生物(ミミズなど)を健全に育み、彼らが自然に作る土深くまでの微細な空洞と風通しにより、畑の土を柔らかくする」という当主ディディエが心血を注いだ栽培の力である。その栽培にはさらに、偉大な力がある。軟らかな土深くに保たれる十分な水分で収穫時、周囲の畑では急落するブドウの酸が、ここでは落ちずにまばゆく保たれる。冬には約100頭もの牛、羊、鶏を畑に放し飼いにするため、堆肥も全くの自然の産物である。アルコリックで重々しく、かつ単調な多くのラングドック・ワインとは次元の異なる、純度の高い果実味と、端然たる酸に支えられた、フィネスあふれるそのワインは、「フランス・自然派ワインの最精髄の一つ」との評価が高い。