ニュージーランド セントラルオタゴ
ブドウ品種:シャルドネ
オタゴ随一と言うほど風の強い自社畑(ビオディナミ)では、時に畑が吹き抜ける風によってフルートのような音=風の歌を奏でることがあると言います。 自社畑全体に 3 ブロックに分けて主に Mendoza clone を植樹。手摘みし全房のまま人の足によって圧搾、バスケットプレス。ステンレスで落ち着かせた後に古樽にて自然醗酵、そのまま 14 ヶ月熟成(MLF あり)。瓶詰めまでに計 20ppmの亜硫酸を添加。12 ヶ月以上の瓶内熟成。無濾過、清澄剤不使用。
【La Ferme de Sato (Sato Wines) / ラ・フェルム・ド・サトウ(サトウ・ワインズ)】
佐藤さんご夫婦がビオディナミ農法を実践している自社畑シリーズ「ラ・フェルム・ド・サトウ」。
セントラル・オタゴのピサ地区で標高の高い土地を購入し一から植樹することでスタートした自社畑は2019年産ワインがファーストリリースとなり、今回の2021年で3年目となります。
3.1haの面積にPinot Noir, Chardonnay, Chenin Blanc, Cabernet Franc, Gamayという5つのブドウ品種が植えられており、その限られた生産量と急速に高まる評価によって常に完売を続けています。
(ちなみに今年James Sucklingによって世界のTOP100ワインに選ばれたのがこの自社畑のピノ・ノワールです。またこのワインは今年ワイナートの表紙にも選ばれています)
佐藤さん夫婦にとって念願の自社畑プロジェクトが始動したのは2015年。セントラル・オタゴピサ地区の平均標高300mを超える高所のロケーションに、適度な広さがあり傾斜の激しい斜面に位置する絶好の土地が売りに出されているのを見つけたのです。
その土地を購入し、一から土壌成分や斜面の向きなどを徹底して調査した2人は、その土地がシスト(片岩)を多く含み、冷涼な気候であるセントラル・オタゴにおいてもさらに昼夜の寒暖差が大きい微気候をもっていることを確認します。調査を重ね、畑を土壌や標高、斜面の向きによって6つの区画に分けて管理(総面積は3.1ha)することにした2人が選んだのが、PinotNoir,Chardonnay,CheninBlanc,CabernetFranc,Gamayという5つのブドウ品種でした。2016年にクローンを選抜して植樹を開始。当初からビオディナミを実践し(2019年にはBioGro認証を取得)、少しずつプロジェクトを進めていった彼らは遂に2019年産のブドウから初めて自社畑シリーズのワインをリリースすることを決意したのでした。自社畑は標高1950mのピサ山を背後に、底に湖のあるクロムウェル盆地の西側の丘に位置しています。標高は最も低い部分で298m、最も高い部分では349mにも及び、冬季に発生する霧を眼下に見下ろすとまるで雲の上にいるかのようです。そして最も特徴的なのがその土壌構成で、より標高の高い畑では1億5000万年前の
シスト(片岩)が風化せずに岩や小石としてゴロゴロと残っています。水はけが良く保水性も低いため、土壌を発展させていくためには畑におけるハードワークが欠かせません。また強風吹き荒れる傾斜のきつい斜面に位置しており、朝の時間帯に日照量を享受しつつ、比較的早い日没により夜は温度が下がるため昼夜の寒暖差はとても大きくなります。結果的に、存分に日光を浴びながら、冷涼気候による恩恵を受けた素晴らしいブドウが収穫できるのです。
LeFermedeSato2021年ヴィンテージ…
近年稀に見る冷涼な年となった2020年とは異なり、平均より少し温暖な気候になったと言える2021年。比較的温暖な気候によって発芽・開花のタイミングは早まったものの、それに続いた気温の低下と厳しい突風などで最終的に出来上がった果実は小ぶりに。その後夏から初秋にかけて理想的な天候となり、ぶどうは良好な生育期間を過ごすことができた。迎えた収穫シーズンでは後半にかけて雨や寒気のために多くの労力を必要とすることになった。出来上がったワインはチャーミングでピュアな果実感、そして滑らかで上質
なタンニンによって適切なストラクチャーを備えたものとなった。