自然と生活文化のハーモニー
トラットリアを経営していた親の影響で食文化に興味を持ち、パルマで食について学んだ後、色々な仕事を経験。料理人になる為の勉強をした際に農業と出会い、自然農法で作られた野菜の力強い味わいや地方性に高い関心を持ちます。更に、自然農法で造られた個性的で土地の味が感じられるワインに魅せられていきます。
アルモニア当主、アンドレア・ペンディンは料理人ではなく、ワイン造りを始める事を決意。ソアヴェに近い、地元モンテッキオ・マッジョーレに畑を購入し、2010年、会社を設立。ビオディナミを導入して痛んだ畑を再生する事から始めていきます。
調和を意味するワイナリー名「アルモニア」は自然と共存する事で本来、人間が幸せを感じるであろう生活や文化の発展に貢献していく事を意味しています。アンドレアにとって、これは美学やモットーではなく、生活や生き方の一部なのです。その為、ワインだけではなく、古代小麦、有機野菜の栽培とオリーブオイル作り。敷地内には両親が営むトラットリアも併設されました。まさに食文化の調和の場なのです。
土壌に合わせたワイン造り
畑はソアヴェ同様、火山の噴火に由来する火山岩土壌ですが、厳密には3つの違った個性に分けることが出来ます。その土壌個性に合わせたワイン造りが行われます。
■POP
火山岩が風化して粘土と混じった土壌に玄武岩を多く含む土壌。ミネラル感やフレッシュさと同時に果実の躍動感を与えてくれるのでカジュアルな価格で毎日飲めちゃうような軽快で飲み心地の良い「POPシリーズ」を造ります。
■+a
火山岩が風化して粘土と混じった土壌に石英を含む粗面岩や軽石のような凝灰岩が豊富な土壌。こちらはストラクチャーと重厚感を与えてくれるので長くマセラシオンしても耐えられると判断。アンフォラ醗酵・熟成の「+aシリーズ」で挑戦します。
■V.V
火山岩が風化して粘土と混じった土壌に活性化した石灰が混じる土壌。塩味や強いミネラルと骨格が得られるワインにとって理想的。同時に樹齢が高い畑なのでフィネスのあるワインが出来る。圧倒的な構成力を持つ「V.Vシリーズ」はステージの違うワイン。
ナチュラル・ワインの裾野を広げる
ワインを飲めば感じると思いますが、とても素直でストレートな美味しさ。余計な化粧や造り込みは全く感じられません。アンドレアがやりたい事は自然なワイン造りを通じて地元ヴィツェンツァの土地の味を感じてもらう事。同時に工業的ワインにはない、素直な美味しさを、より多くの人に感じてもらう事なのです。
だからこそ、自然農法、自然な醸造に拘りながら、自らのエゴや芸術性を押し出すのではなく、誰もが購入できる価格で素直に美味しいと感じてもらえる「POP」でヴァン・ナチュールの裾野を広げ、「+a」でワインとしての複雑味や旨味を感じてもらい、最終的には「V.V」でワインにしかない深く、複雑な味わいで感動してもらいたいのです。