ニュージーランド セントラルオタゴ
ブドウ品種:ピノ・ノワール
2ヴィンテージ目となる自社畑シリーズのピノ・ノワール。
「雲の上」という名前が与えられている通り、セントラル・オタゴにおいても特に標高の高い斜面に広がる自社畑全体に植えられており、今やサトウ・ワインズの看板とも言うべきワインとなりました。特に2020年産は出色の仕上がりとなったようで、得られたフルーツの凝縮感が素晴らしかったことから一部全房醗酵かつ新樽熟成を採り入れたとのこと。
佐藤さんも「ワインが届き1本お試しになられたら、あとはなるべく手元でセラリングをして頂きたい」と語る通り、若いうちからもその凄みは十分に感じて頂けると思いますが、熟成によってその価値を高めるワインであることは間違いありません。
一部全房醗酵を採り入れ、「ぜひ手元でできる限りのセラリングをして欲しい」と佐藤さんが語る2020年産。約300m以上の標高にある畑はクロムウェル盆地に発生する分厚い霧を見下ろす斜面に位置しており、そこから見る光景はまさに雲の上=SurLesNuagesのよう。全体の80%は除梗し、20%は全房醗酵。小さな開放タンクで自然醗酵(約2週間、マセレーションは約1ヶ月)。バスケットプレスされ、オーク樽にて22ヶ月熟成(新樽16%)。ブレンドされ、瓶詰め前に合計15ppmの亜硫酸を添加。瓶内熟成12ヶ月以上。無濾過、清澄剤不使用。
La Ferme de Sato / ラ・フェルム・ド・サトウ
2007年にセントラル・オタゴへ移住し、2009年から自身のレーベルSatoWines/サトウ・ワインズを設立した佐藤さん夫婦ですが、これまで周辺のビオディナミ(バイオダイナミック)もしくはオーガニック農法で栽培された買いブドウからワイン造りをしてきました。しかし設立前にフランスなどワイン伝統国の自然派の造り手で経験を積み、彼らやNZ国内の先達たちにビオディナミについて学んできた2人にとって、自分たちの畑および醸造所を持つことは1つの明確な目標でした。
その2人にとって念願の自社畑プロジェクトが始動したのは2015年。セントラル・オタゴピサ地区の平均標高300mを超える高所のロケーションに、適度な広さがあり傾斜の激しい、それも好条件となる東向きの斜面に位置する、絶好の土地が売りに出されているのを見つけたのです。その土地を購入し、一から土壌成分や斜面の向きなどを徹底して調査した2人は、その土地がシスト(片岩)を多く含み、冷涼な気候であるセントラル・オタゴにおいてもさらに昼夜の寒暖差が大きい微気候をもっていることを確認します。調査を重ね、畑を土壌や標高、斜面の向きによって6つの区画に分けて管理(総面積は3.1ha)することにした2人が選んだのが、PinotNoir,Chardonnay,CheninBlanc,CabernetFranc,Gamayという5つのブドウ品種でした。2016年にクローンを選抜して植樹を開始。当初からビオディナミを実践し(2019年にはBioGro認証を取得)、少しずつプロジェクトを進めていった彼らは遂に2019年産のブドウから初めて自社畑シリーズのワインをリリースすることを決意。同年畑の横に醸造所を新設し、「LaFermedeSato/ラ・フェルム・ド・サトウ」として全5種類のワインを仕込んだのでした。
2020年はセントラル・オタゴにおいて近年でも珍しいほど冷涼だった年で、佐藤さん曰く「ここ20年の間でも最も冷涼だったのではないか。全体的に果実の房はサイズが小さく、生育期間の長さにも関わらず高い酸を保ち、かつ非常な凝縮感に満ちている。こういった気象条件になる年は珍しく、大変な苦労を強いられたが自分たちの自社畑シリーズにとっても重要な将来重要なヴィンテージになるように思う」とのこと。既に先行してリリースされているCH,Gamay,CFは全て予約完売となり、今回追ってシュナン・ブラン=シストゥ、そして今やサトウ・ワインズを代表するワインとなったピノ・ノワール=シュール・レ・ニュアージュがリリースとなります。お見逃しなく。