Cowaramup Red 2020 SAM VINCIULLO / コワラマップ レッド サム・ヴィンチューロ

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オーストラリア マーガレット・リヴァー

ブドウ品種:シラーズ60%、カベルネ・ソーヴィニヨ ン40%

当時リースしていた畑からの赤。シラーズは砂質、 カベルネは鉄を多く含む斜面の区画から。ブドウは 除梗され手足で潰し、1-2週間撹拌させながら自然醗酵。ブレンドしバスケットプレス。ステンレスタンクで熟成させ、ボトリングおよび瓶熟成。一切の添加物は不使用。

SamVinciullo / サム・ヴィンチューロ

WA州マーガレット・リヴァーで、愚直に「活きているワイン」造りに邁進する1人の男がいます。彼の名はSamVinciullo/サム・ヴィンチューロ。WA生まれながら、100%シチリア人としての遺伝子を受け継ぐヴィニュロン(栽培醸造家)です。彼のワイナリーにはいかなる添加物も、ポンプも、そしてオーク樽すらもありません。あるのは自らの手で栽培をするオーガニック(6.5ha、認証なし)の畑と、収穫・醗酵を行うための容器にプレス機、そして数基のステンレスタンク。全てはサム自身の手によって行われます。
サムはイタリア・シチリア島から西オーストラリアへと移住してきた家系に生まれ、2008年にアデレード大学を卒業し醸造学を修めた後カリフォルニアのワイナリーで働いていましたが、自らのルーツでもあるシチリアで造られるフランク・コーネリッセンのワインに出会うことで人生最大の衝撃を受けます。すぐさまコーネリッセンで働きたいとコンタクトを取るも断られ、粘りながらやっとOKをもらった彼は飛ぶよう
にシチリアへ移り住み、2014年までの期間をエトナで過ごします。サムが「そこで彼らが造っていたのはまさにLivingWine=活きているワインだった。自分もこんな風に自然を写し取ったかのような美しいワインを造りたいと思ったんだ」と語るように、このエトナにおける数年間が彼の人生を変えることになりました。2014年にはシチリアを離れ、西オーストラリア州マーガレット・リヴァーへ戻り自身のレーベルSam
Vinciullo/サム・ヴィンチューロを設立。2022年には6.5haの畑がある土地を借り、隣接するように醸造所も建設。さらに羊や鶏といった家畜も含めた包括的かつ循環的な農園をスタートさせました。
現在の畑に植えられているブドウは全て自根。栽培は全て無灌漑で行われ、ビオディナミのカレンダーに基づき管理されています。収穫時は房単位でサムのチェックを経て隣接している醸造所へと運ばれ、人の手足で潰し自然醗酵。その後バスケットプレスによって得られたジュースは全てステンレスタンクへ。無添加のまま、ワインがしっかりと安定した段階へ入ったと感じることができたらステンレスタンク下部に備え付けられたバルブに”直接”ボトリングマシーンを取り付けます。ラッキングも行わないため、ワイン内に自然に含まれるガスを可能な限り失わないようにできるそうです。工程は全て重力を利用したフローが採用され、ポンプは使用せず、ボトリングに至るまで完全に無添加。マーガレット・リヴァーの比較的温暖な気候を考慮し、なんとオーク樽さえも一切所有していません。
「最近はナチュラルという言葉が独り歩きしているように感じることも多いけど、僕のワインはLivingWine、つまり”活きているワイン”なんだ。僕はこの美しい自然から、まさに活きていると感じることができるワインを、できる限り高品質に造りたい。そのためにできることがあるのなら、一切の妥協はしないよ」と語るサムが今後どういった境地に至っていくのか、楽しみでしかありません。